BtoBのウェブ集客基礎講座①【展示会集客とWeb集客の比較】

BtoBウェブマーケ

こんにちは。WebアナリストのNakajiです。

近年では、新型コロナウィルスの影響もあり、展示会での営業活動や飛び込みでの営業活動ができず、Webでのリード獲得に切り替えたいという企業様からのご相談が多くなってきています。

実際に、2020年8月のマーケライズ社が行ったBtoB企業向けの調査によると、「展示会の中止・減少」によって92%のBtoB企業がマイナスの影響を受け、同じく「営業活動などの商談数の減少」でも74%の企業が影響を受けています

また、本影響に対して、52%の企業が「自社Webサイトの改修・見直し」に取り組むなど、多くのBtoB企業がWebでの集客施策をオフラインでの集客施策の代替として検討されています。

そこで本記事では、Webでの集客施策を始める第一歩として、オフライン集客の代表として展示会による集客と、Webによる集客の代表としてWebサイトへの広告による集客を比較して、今までBtoB企業で主流だった展示会による集客と、Webによる集客の何が違うのかについてお話をしていきます。

この記事の対象となる方

  • 最近BtoBマーケティングの担当になった方
  • Webの集客施策を始めたい方
  • オフライン(展示会や飛び込み営業)の集客に限界を感じている方

この記事で解決できる課題

  • BtoB領域における、オフライン集客とWeb集客の違いを知る事ができる
  • Web集客を行うことで得られるメリットとデメリットを理解できる

展示会での集客とWebでの集客の違い

地理的な制約の有無

展示会集客は地理的な制約が強い

オフラインの展示会では、展示会を開催している場所という地理的な制約があります。

なかには出張して展示会に参加するゲストもいますが、基本的に訪れる見込み顧客の多くは展示会の開催している会場の近くの企業が多くなります。

Web集客は地理的な制約が弱い

Webによる集客の場合、全世界をターゲットに集客を行うことができます。(外国向けで集客を行う場合は多言語対応が必要になりますが。。。)

また、特定の地域のみに対して広告を配信するということも可能なため、展示会と似たような形で首都圏のユーザーを中心に集客をする、といったことも可能です。

こういった強みも相まって、Webによる集客はアフターコロナ時代のリード獲得手法として注目されています。

【まとめ】地理的な制約の有無

  • Web集客では、全世界をターゲットに集客が可能となり、地理的な制約が弱くなった
  • 展示会と同じような地域に限定して、Web集客を行うことも可能

見込み顧客の属性や顕在化したニーズの把握しやすさ

展示会集客は見込み顧客の属性やニーズを把握しやすい

近年の展示会は来訪する見込み顧客が限定されていることが多いです。例えば製造業向けの展示会だと製造業に近しい業種のゲストが訪問し、MicrosoftのセミナーにはMicrosoftのビジネスソリューションを利用しているゲストが訪問しています。つまり出展する展示会を選ぶこと≒アプローチする見込み顧客の業種や興味を絞れるということです。

また、優秀な営業担当者なら、展示ブースに訪れた見込み顧客の年齢・性別・雰囲気といった情報や、ブースでのヒアリングした情報をもとに、見込み顧客の悩みや業種に応じたトークで訴求力を強めることも出来るでしょう。(ただし、それが出来る営業人材が複数必要となりますが、、、)

Web集客は訪問した見込み顧客についての属性が把握しづらい

Web集客では流入してきた見込み顧客は展示会よりも不明瞭であることが多いです。
例えば展示会で直接見込み顧客と接したように相手の年齢や性別はわかりませんし、どのような悩みを持っているのかも正確にはわかりません。(厳密には解析ツールでの設定や広告のキーワード設定によってある程度は特定できますが、、、)

また、Web集客では訪問した見込み顧客に提示できる情報は限られています。
展示会で営業担当者が対面で対応しているのであれば、訪問した見込み顧客が求めているサービスに応じて、様々なパンフレットを使い分けて最適な商材を訴求できますが、Web集客では見込み顧客が入ってきたページ(ランディングページ)以上の情報を提示することは困難です。
そして、その傾向は近年の個人情報保護の観点からより強くなっていっています。

このようにWeb集客では入ってくる見込み顧客の情報が限られるため、それに対応するための戦略が必要です。

例えば、検索連動型広告(リスティング広告)で集客を行う場合はKWやユーザーの悩み毎にランディングページを分けたり、Facebook広告の場合は年齢や性別のセグメント毎にクリエイティブを変更したり、といったマーケティングにおける工夫が重要になるわけです。

集客方法が変わるとそれを実行するために必要な人材も変わります。展示会だと優秀な営業マンが必要になりますが、Web集客だと最適な広告運用が出来るプランナーや、ニーズに合ったサイト制作が出来るデザイナー、施策の効果を分析して改善が出来るアナリスト、といった人材が重要になってきます。

【結論】見込み顧客の詳細情報の把握しやすさ

  • 展示会集客では見込み顧客の情報が豊富で、それをもとに優秀な営業マンが最適なトークでリードを獲得していた
  • Web集客では、流入する見込み顧客の属性情報やニーズが不明瞭であるため、それを可視化した上で、見込み顧客の求めるコンテンツを適切に提示するための工夫が必要となる
  • Web集客で必要なのは、優秀なトークスクリプトを持つ営業マンではなく、見込み顧客のニーズを汲み取ってWeb上に再現できる人材

データの分析とデータ活用のしやすさ

展示会集客はデータを詳細に可視化しにくい

展示会での集客状況の可視化として一番明確なものは名刺の獲得枚数になるでしょう。ほかにも、人を認識するカメラなどを導入することでブースへの来場者数を計測したり、パンフレットの配布数を確認することも出来るでしょう。

しかし、顧客の認知具合がどこまで進んでいるのか、どのような商品に興味を持ってもらったのかを具体的に把握するのは難しいです。その尺度は営業の肌感が基準となってしまっている企業が多くなっていますし、主観が入ると人によってばらつきが出るため、不正確なデータとなってしまいます。

また、パンフレットを手にとっただけの顧客はに対しては以降のアプローチも難しいため、リード獲得ができなかった見込み顧客はまるまる機会損失となってしまいます

また、どの展示会が効果的であったのかをコストパフォマンス面で判断しにくいという特徴もあります。たとえば同じ展示会でもブースの場所が変わると集客出来る見込み顧客数も大きく異なるため、費用対効果の見積もりがしにくく、また展示会の申込みをしてしまったらブースの設置場所の変更もできません。必要なリード獲得数が足りなくなった場合、途中での修正がききにくいのです。

Webデータを可視化した上で、軌道修正がしやすい

Webでの集客の場合は、サイトへの流入元から、見られたページ(PV数)、ダウンロードした資料までを全て数値として可視化することができます。どの流入元からの訪問が多いかがわかれば、広告媒体として投資する先が明確になりますし、製品ページ毎のPV数を比較すれば見込み顧客のニーズが高い商品がわかります。しかも、これらのデータは実際にユーザーがサイトを閲覧したデータとなり、主観が入らないため統計的にも価値のあるデータとなりえます。

また、特定の商品ページを閲覧したユーザーや特定の資料をDLしたユーザーにだけ広告を配信する、といった広告の配信手法もあるため、自社の商材に興味を持ってくれたユーザーを逃さずにフォローすることが可能です。

また、費用対効果を可視化しやすいという点もWebの強みとなっています。
例えばWeb広告の場合、リード1件をAという広告では平均費用○円で獲得できている、と評価することができるため、△円を追加投資したら□件の追加のリード獲得が出来る、ということもわかります。また、Webの予算を追加するだけであれば展示会のように長期間の準備も必要ありません。

【結論】データの分析とデータ活用のしやすさ

  • 展示会集客では、リード獲得数などは把握可能だが、見込み顧客の興味がある商材などの詳細なデータが把握しづらい
  • 展示会集客では、名刺獲得ができなかった見込み顧客の多くが機会損失となる
  • 展示会集客では、費用対効果を可視化しづらく、軌道修正も難しい
  • Web集客では、どの商材をユーザーが閲覧しているのかや、資料のDL数などが把握しやすい
  • Web集客では、特定のページを見たユーザー単位で広告を配信することもできる
  • Web集客では、費用対効果を可視化しやすい

この記事のまとめ

この記事では「地域性」「ユーザー属性の把握」「データ分析のしやすさ」などの視点で、BtoBでのオフライン・オンライ集客を比較してきました。

もし自社が、オフライン集客しか行っていない、もしくはオンライン集客を活用しきれていない場合には、これらの特徴も加味した上で、オンライン集客に是非トライしてみてください

最初はうまく行かないことも多いかもしれませんが、きっと今まで獲得できて来なかった見込み顧客層にもアプローチ出来るようになるはずです。

次回予告

次回は

BtoBのウェブ集客基礎講座②【売上とサイトの流入数を紐付ける】

をテーマに、自社のビジネスにおける売上とWebでの集客数をどのように紐付け、評価していくのかについてお話していきます。

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